こんにちは。設計2課の宮澤です。
今回は、最近読んで面白かった本を紹介します。
タイトルは「人月の神話」
タイトルだけ聞くとファンタジー小説のようですが、
本書はソフトウェアエンジニアのフレデリック・P・ブルックスJr.が
1975年にソフトウェア工学とソフトウェアプロジェクト管理
について書いた書籍です。
人月の神話はソフトウェア開発に関わらず、
あらゆるプロジェクト管理における教科書的な内容となっています。
今回はこの中からひとつ、「ブルックスの法則」について
触れておきます。
「人月の神話」における人月(にんげつ)とは、
我々に馴染みのある言葉に言い換えると「人工(にんく)」のことです。
著者はこの人月という概念について以下のように言及しています。
「私たちが使っている見積もり手法は、コスト計算を中心に
作られたものであり、労力と進捗を混同している。
人月は、人を惑わす危険な神話である。なぜなら、人月は、
人と月が置き換え可能であることを暗示しているからである。」
また、スケジュールの遅れを取り戻すために
プロジェクトの人員を増やすという対策について、
著者は「ブルックスの法則」と称し以下のように言及しています。
「ブルックスの法則:遅れているソフトウェア・プロジェクトに
人員を投入しても、そのプロジェクトをさらに遅らせるだけである。
ソフトウェア・プロジェクトに人員を追加すると、全体として
必要となる労力が、次の3つの点で増加する。
すなわち、再配置そのものに費やされる労力とそれによる作業の中断、
新しい人員の教育、追加の相互連絡である。」
工期短縮のための人員の逐次投入は、総合的に見ると
生産性を低下させ、コスト増加を招く、ということですね。
確かに、言われてみれば実に的を射た概念です。
このほか「人月の神話」の内容についてはWikipediaにも
まとめられているので、ご興味ある方はご一読ください。
(宮澤)
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