青森支社の正面玄関わきに、
幅2.5m、奥行0.6m、高さ0.4mほどの小さな花壇がある。
これまでは、特に花の植栽もなく、管理されてこなかったことから、
只々雑草だけが生い茂っていた。
正面玄関と言えば、いわば「会社の顔」であり、
そのわきに位置する荒廃した花壇は、会社のイメージ・ダウンに
つながりかねないことから、1階営業部みんなで、
「花壇再生プロジェクト事業」に取り組むことにした。
とは言っても、「ガーデニング」などに詳しい人は誰もいない。
すべて「いいかげん」である。
まずは「土づくり」である。
雑草を刈払い、表土を「フルイ」にかけて、
雑草の根や石ころなどを除去するとともに、
硬くなった土をほぐした。
その上に、園芸用の土壌改良剤を散らした。
当初は、除草剤を散布して、しばらく土を寝かせて
従来の雑草の根を根絶させるとの案も出たが、
時間がないので省略した。
次に、「花の選定・植栽」である。
選定の基本は、「1年中咲く花が見れること」と
「お金や管理の手間があまりかからないこと」と考えた。
結果としては、①アジサイ、②ニッコウキスゲ、③ジャーマンアイリス、
④スズラン、⑤ペチュニア、⑥マリーゴールドの6種類となった。
①から④は、家の庭から盗掘して持ってきたもの、
⑤、⑥は、ホームセンターから購入したものである。
それらのうち、背の高い花をバックに、低い花を手前に植え付けした。
以上が、「花壇再生プロジェクト事業」の概要であり、
取るに足らない内容である。
しかしながら、花壇完成後、朝、水やりや草取りなどをしていると、
通りすがりの近所の方や小学児童たちが花壇を見て
「お花きれいだね」などと話しかけてくれることが何度かあった。
そんな時、年甲斐もなくとてもうれしくなり、
取り組んで良かったと心底思えた。
みんなで作ったこの花壇はとても小さく、
高価な花も植えられているわけでもなく、
決して立派とは言えないが、私にとっては、
妙に愛着があり、この草花を眺めていると心が癒され、
元気が湧き出てくる大切な花壇となっている。
(吉岡 裕芳)
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