2025年11月5日水曜日

誰のためのデザイン

 

設計2課の宮澤です。

今回は以前に読んだ本でおススメの一冊を紹介。

タイトルは「誰のためのデザイン?」

著者はD.A.ノーマン。

初版が2015年で10年経った今もなお増補・改訂版として

10刷まで発行されているベストセラー。


「誰のためのデザイン?」というタイトルの通り、

本書は「デザイン(特に工業デザイン)」を考えるうえで重要な概念について

多岐にわたり言及している本である。

また、本書で述べられているさまざまなアイデアは

工業デザインのみならず、あらゆる改善のアイデアに転用可能である。

今回はその中から「シグニファイア」という概念について触れてみたい。


以下、本書からの引用。

「良いデザインにおける重要な特性が二つある。

発見可能性と理解である。

発見可能性とは、どういう行動が可能か、

どの部分をどうすればよいのかを見つけ出せるかである。

理解は、それがいったい何を意味しているのか、

その製品はどんな使われ方が想定されているのか、

いろいろと異なる操作部や設定は何を意味しているのか、である」


そしてこの特性(発見可能性と理解)を

デザインに付与する概念を「シグニファイア」と言う。

よくPCソフトの謳い文句で

「直感的なインターフェース」という言葉があるが、

これがシグニファイアの好例だろう。

特にマニュアルを読まずともツールバーのアイコンを見るだけで

何となく操作方法が理解できる。

これが良いシグニファイアなのだ。


また、裏を返せばシグニファイアを考慮していないデザインは

必ずヒューマンエラーを頻発させる。

私自身、希代の粗忽物なのでヒューマンエラーなど日常茶飯事だが、

そんなときは「同じ間違いを繰り返さないように気をつけよう」ではなく

まず「デザインの見直し」から始める。

そこから生まれたアイデアは個人のみならず汎用性の高いアイデアとなる。

組織のあらゆるシステムの改善にはまず

「既存のデザインを疑う」から始めるのも面白い。


今回は本書の中からほんの一節しか紹介できなかったが、

非常に内容の充実した一冊なので、

ご興味あればご一読いただきたい。

(宮澤)

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