2018年10月25日木曜日

東北旅行譚 ~Part2~

 
<山形 羽黒山・出羽(いでは)神社>
 
中・高等学校では、修学旅行に必ずと言っていいほど
神社仏閣巡りがあります。
一般的には日本国の歴史を知るために行くのが目的とされています。
もちろん、私たち一行も歴史を学びに来ました。
 
学びに来た「はず」だったのですが・・・。
 
 
ここ、出羽神社は羽黒山山頂に鎮座する神社です。
 
出羽神社内には「山神合祭殿」と呼ばれる建物があり、
萱葺の建造物としては日本最大の大きさです。
厚さ2.1mの萱葺屋根・総漆塗の内部は見事としか言いようがなく、
芸術を肌で感じられるほど。
 
この三神合祭殿には、月山・羽黒山・湯殿山の神々が祀られています。
有名なものに月読命(ツクヨミノミコト)がありますね!
 
 
羽黒山参道です。
 
綺麗だなぁと感嘆の声がこぼれるほど、自然に隠された調和する雰囲気。
緑が私たちに歴史を語りかけるような、
そんな感想を抱きました。
 
実は、私たちは初めに車で山頂に向かったためにこの道は「下り」なのです。
何を隠そう、「下り」があれば帰り道は「上り」になります。
 
 
物事の起点というのは、いつも、唐突。
 
その時が訪れました。
 
 
傾斜角度45度以上はあると思われる全長約1.7km、2446段もの
階段が私たちの前に立ちふさがりました。
 
デスクワークばかりだった私たちにとって、この道は修羅の道。
噂ではこの石段を登っているうちに山の持つエネルギーで
体が満たされるらしいですが・・・。
この道に挑む前に、精神と時の部屋での修行をお勧めします・・・。
 
汗と涙、その他が滲み出ながら、何とか山頂へ戻ってこれました。
 
上り終わった後の達成感は、
新しいパンツを履いたばかりの正月元旦の朝のようでした。
 
 
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<山形・秋田 鳥海山>
 
 
「そこにエベレストがあるから」  ― ジョージ・マロリー ―
 
 
マロリーが「なぜ、あなたはエベレストに登りたいのか?」と問われて
「そこにエベレストがあるから(Because it's there.)」と答えたという逸話は
有名ですよね。
 
なんとなく、鳥海山を見たときに思ったのです。登らねば、と。
この時、私はジョージ・マロリーだったのです。
 
 
カーナビが山形と秋田の県境で荒ぶりながら、
連続ヘアピンカーブを乗り越えて。
 
楽しいドライブの後、到着しました。
 
 
一言でまとめるなら、「美しすぎる罪」
 
こんな景色があってよいものだろうか、
こんなに静かですべてを忘れてしまうときあってよいのだろうか。
なぜ私はこの景色を知らなったのだろう。知らなかった罪に苛まれる。
 
車を降りた、その時そのタイミングで直感しました。
 
 
 
時刻は夕方。
 
ほどなくして、日が落ちます。
 
 
刹那、目の前が日とともに海へ沈みます。
 
まさか、大人になって感涙するとは思いませんでした。
 
しばらく我を忘れ、その場に立ち尽くしていました。
 
私生活に無縁な雄大な自然。
しかしだからこそ、大切な体験なのでしょう。
 
 
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無事に大間に到着し、マグロにありつくことができました。美味しかったです。
生憎の台風直撃でびっちょびちょになりましたが、
最後に最北端の石碑も見に行きました。
 
そして、帰路に就く。
家の犬に大歓迎を受け、今年の旅は幕を閉じました。
めでたし。
―END―
 
 
 
旅というものは、自分の未踏の地に自ら踏み入れるわけです。
多方面からのインスピレーションが自分の価値観に大きな変化を与えることもあります。
当社での業務もそうですが、固定概念に囚われていては
人間として成長は望めないと考えます。
変われるものとして勝ち残るために、これからも大切にしたいですね。
 
 
でも、体力的にきつい修行僧はもういいかな・・・。
 
(宮地)