青森支社勤務の山本です。
平素より弊社スタッフブログをご覧頂き、ありがとうございます。
ブログ掲載は、昨年6月の「岩木山」以来です。
今回の題材は、私の住処である田舎館村の大曲地区会(町内会)で
役員として携わっている「ねぷた」について紹介したいと思います。
ねぶたは大きく分けて、青森地域や大湊地域が人形タイプで「ねぶた」と言い、
我が弘前周辺地域では主に扇タイプで「ねぷた」と言います。
(人形タイプの「組みねぷた」や五所川原の「たちねぷた」もあります)
当地区は、70数せたいの比較的小さな集落で、
以前は「ねぷた愛好会」で運営していましたが、現在は地区会で管理し、
地区住民の寄付やボランティアによって運営されています。
ねぷたの製作作業として、最初に本体骨組みのさびを落とし、
さび止めペンキを塗布した後にマスキングテープを貼ります。
次に発電機を始動し、本体の昇降機能や回転機能の点検とおもに
電球灯の点検を行った後に、張った絵が風により破れるのを
防止するため内側のテグスを張ります。(写真①参照)
写真①:電球とテグス張り |
絵自体は、プロのねぷた絵師に依頼しており、
完成した絵を貼る作業手順としては、
まず前日に会館内で額絵(写真②参照)や
開き並びに見送りの絵(写真③参照)を貼って乾かしておきます。
写真②:額絵(台座部)絵貼り |
写真③:開き(皿)と見送り絵貼り |
翌日、本体表側の鏡絵(写真④・⑤参照)を貼り、
次に裏側の絵全体(写真⑥)を貼ります。
写真④:鏡絵貼り状況 |
写真⑤:鏡絵貼り完成 |
写真⑥:裏絵全体の絵貼り状況 |
次に裏側の見送り絵(白地)部分を切り取り(写真⑦参照)、
見送り絵の枠をはめ込み(写真⑧参照)した後、破れ防止のため、
絵の外側にもテグスを張ります。(写真⑨参照)
写真⑦:見送り絵部分の切取り |
写真⑧:見送り絵枠取付 |
写真⑨:テグス張り状況 |
次に両側「肩」に大曲地区名の紙を貼り(写真⑩参照)、
最後に額絵(台)と開き(皿)を取付(写真⑪参照)して、
「ねぷた」製作が完成となります。
写真⑩:肩の絵貼り |
写真⑪:額(台座)開き(皿)取付 |
更に、運行時に必要な発電機と太鼓を載せた台車(写真⑫参照)を
連結し、運行の準備完了。
写真⑫:台車に発電機と太鼓設置 |
○ねぷた絵の概要
絵師:笹原雲狭
鏡絵:三国志「孫策奮戦の図」(写真⑬参照)
見送り絵(美人画):小喬(写真⑭参照)
袖絵(見送り絵外側):地獄の鬼(写真⑭参照)
写真⑬:鏡絵 |
写真⑭見送り絵(外側は袖絵) |
ねぷたの運行は、8月1日の地区内運行で始まり、
8月2日は畑中4地区団体連絡協議会の合同運行、
8月4日は田舎館村の合同運行、最終の7日は午前中に運行して
まつりが終了となります。
ねぷたまつり期間中である8月1日の地区内運行や
8月2日の4地区合同運行並びに8月4日の村内合同運行などの
状況写真です。(写真⑮~⑳参照)
村の合同運行には各地区代表のねぷた(最高18台の出陣台数が
年々減少)が11台出陣し、午後7時に田舎館中学校を出発し、
最終地点の村役場敷地内で最終審査と
各賞の授賞式(なんと大曲は二つの賞を受賞)等が行われ、
午後9時頃に解散となりました。
⑮8月1日初日地区内の運行 |
⑯8月2日地区団連の合同運行 |
⑰8月4日村内合同運行待機① |
⑱8月4日村内合同運行待機② |
⑲8月4日村内合同運行一次審査 |
⑳8月4日村内合同運行出陣 |
このように「ねぷた」の運営面では、
運営費確保が厳しいとともに地区住民の数が減っているため
製作作業や運行でも人出不足で大変な状況ですが、
子供たちの喜ぶ姿や運行後の反省会(飲み会)など
楽しみも多いので、できれば今後も続けていければと思っています。
(ヤマモト)
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